the philosophy of
2022/05/07
細部に亘って周到でこだわり抜くこと=DETAIL
ディテールというのは、服全体のデザインではなく、ボタン、パイピング、襟元、ポケットの形、カットの仕方など、細かい部分のデザインのことをさしています。小さな部分や、洋服本体の裏側の仕様に関するデザインのため、きっと着るときに気づいていないのに、実は大きな印象を変えてしまう要素であることが多い部分です。ぱっと見の写真では気づかないことが多いのではないかと思います。洋服というのは、用の美を追求するデザインが求められるので、触ってみて、着てみて、さらに、着比べてみて感じるものだと思います。今回は、私のこだわりDETAILを少しだけ、語ります。
①ジャケットは肩の印象が一番大事
BEIGE,は肩ひじ張らずに羽織るように着用していただけるジャケットを目指し、動きやすく機能的でありながら、肩に優しくフィットして華奢に見えるように、生地にあわせてパッドの厚みを変えています。また、パッドの厚みは、首側と肩側では厚みをかえて、首に沿うような肩の傾斜をパッドが邪魔しないように工夫しています。パッドが堅苦しいという印象を持たれる方もいると思いますが、肩傾斜がまっすぐであり、肩山を感じさせないジャケットが、一番エレガントなジャケットです。
中には、パッドを入れていないジャケットも作っています。上の写真のジャケットは、パッドをいれずに、パターンと縫製で肩傾斜が作られるように仕上げています。写真のように羽織って切ると、肩が吸いつくような仕上がりになるのを感じてほしい一品です。②BEIGE,のファスナーは絶対にGOLDを使う理由
若いころはモダンでクールなシルバーが好きだったのですが、年を重ね、温かみのあるエレガントなゴールドが気になり始めました。BEIGE,が目指す<エレガント>を表現する為には、気品があり、上質なモノつくりには欠かせないアクセントになっています。決して、きらびやかに見せたいわけではありません。③貝ボタンを使うこだわり
ポリエステル製のボタンは、強度に優れ機能性もあるので、とても使いやすいです。アイテムの相性をみて使い分けますが、一方、貝ボタンは個々の表情が異なり、天然の持つ光沢感があり、質感が高まります。金ボタンもよく使いますが、放つ光沢感が強いので、毛足の長い生地や厚みのある生地と組み合わせると、ギラギラ感が和らぎ、効果的です。それに比べて、貝のナチュラルな光沢感は、優しく控えめで品があります。薄い生地や、天然素材との相性がいいので、春夏は貝ボタンを選ぶことが多いです。
デザインとは、目に見えない設計、縫製、付属をふくめたバランスを一つにまとめ上げること。だから、「細部に亘って周到でこだわり抜くこと」がデザイナーにとして大切にしたい大事なポイントです。