the essence

2022/05/20

vol.7【ブラウン】夏に目をひく、黒とは別のビターカラー

27、8歳で前職から今の仕事に飛び込んで驚いたこと――いろいろありますが、そのひとつが「一年中“黒”を着る人がめちゃくちゃ多い!」です。

それまで働いていた人材系企業は丸の内に近い立地、私のいた部署は男女6:4くらいの営業チーム。男性はセットアップのスーツ、女性もジャケット(どちらかというとノーカラーよりテーラードの方が歓迎される)はマストという環境でした。

明確にルールがあったわけではなかったけれど暗黙のルールはあって、着られるアイテムはごくシンプルなアイテム数種類。でもだからこそ、トップスはきれい色(イエロー、ピンク、ブルー等)を幅広く揃えていたりもしました。

転職して、さぞ自由な服装の人であふれているのだろう、と思っていたからビックリ! 夏も冬も黒、黒、黒! エディターもスタイリストも、ヘアメイクやカメラマンも…黒率のなんとまあ高いこと!

今だからわかりますが、毎日新しいファッションに触れるからこそ、着る服において特にルールがない業界だからこそ、この傾向にあるのだと思います。

デザインにおいて(生地感、肌の露出具合を含む)の振り幅は大きく、その分、色は潔くシンプルな“黒”を選び、各々の個性を生かしながら“着ること”を楽しむ。そんな人がこの業界には多いのでしょう。

私も黒はたくさん持っています。特に夏にさらりと着るワンピースの類いは大好き! 小物やアクセサリーもあえて盛らず、肌の湿度で着る黒が大人っぽくて好みです。

夏に着るダークカラーが素敵…というのは、他の色にも派生させられます。私にとって黒と同じくらい欠かせないのが、ネイビー、そしてブラウンです。

キリッと背筋が伸びるシャープさが魅力の黒に対し、ネイビーはほんのりやわらかく愛想のいい色だし、ブラウンは成熟した大人っぽさを感じる色。そう、ブラウンはダークカラーの中でも、余裕のある大人の“雰囲気”漂う、唯一無二のカラーだと思うのです。

そんな“雰囲気”をつくってくれるブラウンは、素材選びも重要! 今季BEIGE,で揃うブラウンは、そのバランスが本当に絶妙なので、紹介させてください。
ノースリーブのミドルゲージ編みのニットのように見えるこちら、素材はコットン100%。綿に擬麻加工、漢字のとおり麻のように見せる加工を施し、ドライな質感にしています。

ニットのように厚みを感じながら、シャリ感があってとっても涼しい。Tシャツと違って、汗が染み込んだり肌にはりついたりしないので、真夏にもってこい! なトップスです。
スカートにもブラウンの展開が。シフォン×アコーディオンプリーツというエレガントなアイテムも、ビターなブラウンだからこそ、“かわいい”ではなく、“シック”に着地。足元に近い1/3部分は、真っ白ではなくエクリュにすることで、清涼感がありつつ、落ち着いたバランスを味わうことができます。
黒よりも余韻が残るブラウン。
ちょっと日焼けした肌、ラフに整えたヘア、ヌーディなネイルとともに、丁寧に向き合いたい、夏の色。BEIGE,ならではの素材とともに、試してみませんか?


ノースリーブ/¥24,200(税込)
スカート/¥42,900(税込)
ジャケット/¥49,500(税込)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。