the essence
2022/10/14
vol.4【キルティング】自分にも周りにも優しくなれる?冬の白アウター
|エディター小林文 「BEIGE,の奥深きシンプル」
最近なんだか “白” のことで頭がいっぱい。近所に住む姉家族に分けてもらったツヤツヤの新米、今の季節限定の泥がついていない真っ白な新レンコン、かぼちゃのポタージュ作りも生クリームをミキサーに入れる瞬間が好きで、その後の洗い物の面倒臭さもなんのその!
そういえば、雑誌の編集の仕事をしていてテンションが上がるのも “白” の作業。
真っ白な紙や画面に向かってコンテを描いたり、撮影した後の写真をレイアウトしたりするあの時間。来季の新作をひと足早く拝見できるブランドの展示会、撮影前のスタイリストさんとのコーディネートチェック、朝早くから集まってスタッフみんなで力を合わせる撮影…それらの工程も楽しいけれど、 「さーて、なにをどうしようかしらね〜?」 とひとりでブツブツ言っている、真っ白な時間がやはりいちばん好きなのです。
ファッションも “白” が気になって、白スニーカーや白ニットを新調しました。 “白” を食べているとき、身につけているとき、 “真っ白” な状態でなにかを考えているとき、なんだかとっても穏やかで、自分にも他人にも優しくなれる気がするんです。
そんな白の効能? に気がついてから、このアウターからも目が離せなくて。白のキルティングコートです。ミルクのような柔らかい白に、ひとつひとつが大きすぎない正方形のキルティング。テカテカした光沢感はなく、動くたびシャカシャカと音がすることもないので、とっても上品。また、保温性に優れた中綿を使用していて、しっかり暖かい。ダウンのように明らかなもこもこ具合ではないため、晩秋から冬まで長く活躍してくれます。
そしてデザイン。ここ数年、キルティングアウターをあちこちで見かけるようになりましたが、BEIGE,の特徴はそのスマートさ。シルエットとしてはAラインでゆったりしていつつ、肩は落ちておらず腕まわりもすっきり。首もクルーネックのニットのように詰まっていて、襟が付いていなくてもきちっと自立した雰囲気。ノーカラーのアウターってなんだか首の開きが大きくて、結局インナーにタートルを仕込むしかない、みたいなことってないですか? これはタートルもクルーネックもうまく収まります。これ、結構特筆ポイントだと思うのです。
両胸の上部についた長方形ポケットや、比翼仕立てに隠れたゴールドのファスナー、サイドから見たときの丸みを帯びたスリットも、シンプルながらキレのあるディテールとして “スマートさ” の要因になっています。
今回は白パンツを合わせていますが、vol.1で着ている白のウールのミニスカートも素敵でしょうね。そのときはタイツは黒ではなく杢グレーで。白黒つけない優しい配色が今の私の気分です。
そうそう、このキルティングコートをはじめ、今季のBEIGE,はミドル丈のアウターが充実。ロングアウターはちょっと飽きてしまった…というかた、10/28更新の次回、必見ですよ。私自身、「どう書こうか…!」と今から楽しみにしています。
コート/¥53900(税込)
カットソー/¥19800(税込)
パンツ/¥29700(税込)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。