2020AWEssence

2020/11/06

【リバーコート】“BEIGE,を初めて買うなら” 真冬編vol.13

以前、“BEIGE,を初めて買うなら”と、ブラウスをおすすめしました。たっぷりギャザーを寄せたデザインでも甘ったるくないのは、BEIGE,というブランドの媚びないニュートラルさが軸にあるから。この秋、週2のペースで着るほどのお気に入りでしたし、この先もずっと私に寄り添ってくれるであろう一枚です。

そのブラウスの回にもチラッと書きましたが、“BEIGE,を初めて買うなら”真冬編として、やはりコートは推させてください。

大げさではなく、私はBEIGE,のコートのおかげで冬が好きになりました。BEIGE,のコートに出合う前までは、冬のコート期間をできる限り短くしたくて、ぎりぎりまでトレンチコートでしのいでいたのに(笑)、今では天気予報を見て「早くもっと寒くならないかな〜」とつぶやいているほどです。

やわらかいニュアンスカラーの色展開、ドラマティックなフォルム、クラシックな雰囲気の中にさりげなく新しさを感じるデザイン・・・毎シーズン、本当にいろいろ揃っています。

その中で“ファーストBEIGE,”としてひとつだけ選ぶとしたら、今季はこのリバーシリーズ。

私自身、“ファーストBEIGE,”として3年前購入したのもリバーコートでした。白をたっぷり含み、グレーみを感じるトープカラーはなかなか他では見つからない絶妙な色出しで、もうひとめ惚れでした(ちなみに、今季のニュアンスカラーは、ヌード、キャメル、トープと3色も♡)。

そんなリバー仕立てのコート、今季は2型あります。ケープ型とガウン型です。

ケープ型は、ヒップが隠れるミドル丈のAライン。身頃に入ったスリットから腕を出すタイプで、雰囲気があります。フードの立ち具合がまた美しくて! スナップボタンを上まで留めて着ると、フードがふんわりまるく首元に沿う。よく計算されているな〜と、鏡に映る姿にうっとりします。

続いてガウン型。私は展示会で拝見して以来、もう何ヶ月もどのカラーにするか悩んでいます。そう、その頃から新しいコートとして迎えるのは自分の中で決まっていました(笑)。

シンプルなガウンデザインではあるものの、ドルマンスリーブが特徴。ドロップショルダーのカジュアルさとはまた別の、肩を優しく包みこむフォルムに、着ている本人がなんだか癒やされるんです。そして、なんと言ってもこの生地の風合い。希少なラムウールを使って、2枚の布を1枚に縫い立てるリバー仕立て。織りから仕上げまでのすべての工程をひとつひとつ丁寧におこなっているから、生地の組織に空気を含み、軽さと暖かさを叶えてくれます。

とっても繊細な生地のため、裏地はナシ。そのため、摩擦しやすい内側は毛羽立ちやすいのも、正直なところ。

実は、9月末に一度入荷していたものの、「もう少し扱いやすいものに改善できないか・・・」と現場からの声があり、一度工場へすべて戻し、再加工。10月末改めて店舗とオンラインショップに並びました。

この判断を聞いたとき、なんというか・・・とても感動して、少しウルッとしてしまいました。もちろん、基準を満たした商品として入荷していたけれど、その上で、さらに現場のリアルな声をしっかり汲む。手間も時間も費用もかかるけれど、「よりよいもの」を追究し、柔軟に対応するその志を含め、とてもBEIGE,らしいコートだと、私は思います。

・・・いつも以上に熱く語ってしまいました(笑)。

オンラインでのショッピングも楽しいです。私も大好きです! けれど、もしお近くにショップがある場合はぜひ、実物を手にとり、実際にまとってみてください。

それを含め、“BEIGE,を初めて買うなら” コート編のすすめです。

さーて、ネイビーにするか、トープにするか・・・今週末、最終ジャッジを下そうと思います♡

ケープ/¥79,000(税別)
コート/¥81,000(税別)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。