the philosophy of

2022/09/09

いつまでも記憶に残り続けること=IKI(粋)

日本語の「粋」=洒落ていること

英語に置き換えるなら「chic:シック」

語源はフランス語「chic:シーク」=オシャレなという意味

ただ、<粋>は気質・態度に対しても、「さっぱりとしてあか抜けている+色気がある」という表現をする言葉で、<chic>は、パリのスタイルの変遷に合わせて、その時代のオシャレを表現する言葉という印象があります。

<粋>という言葉は、その個人の人間性がオーラとなって纏っているものと、身に着けているものが相まって表現される誉め言葉とおもうと、<chic>では表現しきれず、粋=IKIとそのままアルファベットで置き換えてみました。

最後のこのコラムは、私の考える<粋>、BEIGE,の根底に流れる<IKI>の考え方を表現したいとおもいます。

今期のジャケット<RENTY/ランティ>は、BEIGE,を代表する<CINDY/シンディ>によく似ていますが、シルエットが大きく違います。

<RENTY/ランティ>

<CINDY/シンディ>

 

この違いの話になると、きっとBEIGE,の大ファンにしかわからないかもしれませんが、RENTYは、着丈67㎝の長め、BOXYシルエットで、ハンサムなジャケット。CINDYは、着丈52㎝の短めで、ウエストがくっとはいったコンパクトなフェミニンジャケット。

私は身長もあり(167㎝)、ジャケットもラフに羽織りたいタイプなので、RENTYを選びます。同素材のセンタープレスの効いたストレートパンツに、インナーはシンプルな白いTシャツ。もう少しカジュアルに、黒のハイネックのインナーにデニムを合わせて、ローファーを履こうかな。

CINDYは、パンツもスカートもドレスも、何でも合うので、本当はスタイリング次第で着る人のタイプも様々。ぱっと見の印象が強くて、華やかなのに、スタイリングは難しくなく、身長で着こなせないこともほとんどありません。CINDYは、どちらかというとBEIGE,のアイテムの中では、とてもフレンドリーなアイテム。

この2つのジャケットは、ハンサムとフェミニンという印象の違いはあれど、私にとって<IKI>であることには変わりがありません。

さっぱりした=無駄な装飾はそぎ落としたシンプルなデザイン

あか抜けた=きっといつの時代に着てもオシャレ

色気がある=その人のオーラで加えるもの、あえて洋服自体に色気を感じさせるものがあるのではない

洋服には、自分が袖を通したときに感じる高揚感や贅沢感が必要で、そうして、自分の心を満たしてくれるものであると思います。

人の目線を気にして、世の中の流行りを取り入れることがファッションではなく、いつの時代も、自分らしく、その人らしくいられる、そんなたたずまいの洋服を大切に作る。大切に着る。

デザイナーにとって、洋服に想いをもって、大切にしてもらうことが一番の喜びです。