2020AWEssence
2020/10/16
【カシミヤ混ニット】国内で過ごす冬、淡い色が着たいワケvol.10
先日、百貨店をふら〜っとしていたときのこと。あるショップで冬服を物色していたら、「黒っぽいお洋服がお好きなんですか〜?」とスタッフの方の明るい声が。え? 私? 急になぜ? と一瞬止まっていたら、「黒をお召しなので・・・」と。
たしかにその日の私は、グレーのニットにBEIGE,のチェックスカート、小物は黒のショートブーツとショルダーバッグ。しかもそのショップで広げて見ていたのも黒のニット。無意識でしたが、これはもう完全に“黒好きな人”として見られてもおかしくありません(笑)。
でもですね、ちょっと言い訳?させてください。実は今季、私の買い物傾向はちょっと黒率低めなんですよ? その理由はずばり、日本から出ていないから、です。
ここ数年、年に一度は“ここではないどこか”を求め、弾丸旅に出ていました。ちょうど1年前の今頃は、夫とふたりで遅めの夏休みがてら3泊5日のパリへ、年始には2泊3日で極寒のソウルへ。実は、そのどちらへも、黒を軸にした服や小物をスーツケースに詰め込んで行っていました。
パリもソウルも黒が似合う都市だから、というのが理由。どちらもファッション感度の高い街ではありますが、だからこそ、その土地にまずは無の状態で入り馴染む装いをしたい。それから、その土地らしい色やモノを現地調達。パリでは赤いリップやフレグランスを、ソウルではエクリュのショートブーツを購入。黒コーデに各地の要素を少しずつ足していくのが、私流・都市旅の楽しみ方です。
はあ、書いていて懐かしさが込み上げてきました。だって、今年は国内から一歩も出ていないから・・・。ちょっと話を戻しますが、だから国内で過ごす今、私の黒率は下がっているんです。異国へ行って刺激を得ることができないから、ファッションで取り入れたい欲が強くなっているのでしょう。
例えば、今回のBEIGE,のニット。淡〜いミントグリーンがとにかくフレッシュ! くすみがなく晴れやか! 秋のはじめまでは、きれい色といってもブラウンがかったオレンジやグレイッシュなブルーに惹かれていたものの、気温がぐっと下がり始めた最近は、淡いカラーに目が行く。これからの長い冬を考えると、自分的に刺激になる淡色が気になるのです。
素材はウール90%、カシミヤ10%。え? カシミヤ10%? と、表記を二度見してしまうほど、カシミヤ感は数字よりもしっかり感じて、ふっくらしています。厚みは中肉。ついつい、冬はガツンと分厚いニットばかり買ってしまい、クローゼットがパンク状態になる私にとって、これはうれしい要素です。
形は、タートル、長め丈のVネック、カーディガン。いずれも体が少し泳ぐシルエットで、気張った感じではない。けれど、色の美しさのおかげでなんだかクリーンなのが魅力。
個人的には、タートルの上にカーディガンを重ねてツインニット風に着るのにも憧れています。ちょっと贅沢だけれど、航空券やホテル代がかからない今季は、いつもよりファッションに投資するのもアリ? あれ? ミントグリーンもいいけど、ピンクもなんだか素敵だぞ?(ブツブツブツブツ・・・)
そんなわけで、黒率低めの冬、スタートです!
タートルニット/¥25,000(税別)
Vネックニット/¥26,000(税別)
カーディガン/¥27,000(税別)
【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。