2019SSEssence

2019/03/01

【ジャケット】結婚式——参列女性のアウター問題vol.7

先日地下鉄に乗っているとき、親友からLINEが。「ついに結婚することになったよ」と。驚きとうれしさのあまり「きゃーーー!」と心の中で叫んだつもりが、実際に喉を通って声として漏れてしまいました(笑)。隣りの席のかた、うっすら聞こえる女性の叫び声、さぞかし怖かったことでしょう……すみません!!

女きょうだいの中間子として生まれ、祖父の代から続く自営業の家で育った…というところまでが私と彼女の共通点。彼女はみんなから慕われるしっかり者で人気者。学生時代、校内で彼女のことを知らない人はいなかったし(学年を問わず)、彼女のことを悪く言う人も見たことがなかった。そして今はご実家の家業を本当に立派に引っ張っている…。私は「うーん、生まれ育ちは似ているはずなのに、こうも違った仕上がりになるものか〜、おもしろいな〜!」と、自分に足りないものはサッと棚に上げて、脳天気に思っていたりします(笑)。

さて、親しい人の結婚式って考えるだけでワクワクします。30代・既婚者である今の私が参列するなら、気負わず、悪目立ちせず、ただただ「おめでとう」の気持ちを伝えたい。20代・未婚のころは、新郎の友人など、周りを気にするちょっとした「下心」があったけれど(笑)。式場や新郎新婦の雰囲気にもよりますが、南の国でのリゾート婚でない限り、私は程よく「きちんと感」を心がけます。そのとき直面するのが「アウター問題」。

これは20代独身だろうが、30代既婚だろうが変わらず思い続けているのですが、「THE 参列者!」な出で立ちは気恥ずかしいので、極力避けたくて。その「THE 参列者!」を象徴するのが俗に言う「羽衣」。ふだん着ないあの絶妙な短い丈感と時代の流れを止める素材感が、家を出た瞬間から「THE 参列者!」にさせるのではないか、と考察しています。

それを避けるためにも、私はいつもの私のままでいられるアウターを選ぶようにしています。それは美しい「ジャケット」です。【CINDY】のジャケットは、2014年からずっと続いているBEIGE,のアイコン的ジャケットで、リピートするファンも多いのだとか。その理由は明らか。さらっとしてシワになりにくい素材、凛々しすぎず、もちろん甘々ではない、着るだけで「きれいな人」になれるデザイン、そして平日も特別な日も対応できる万能さ。ノースリーブのドレスの肩に羽織るだけ、とろみのあるワイドパンツのコンビネゾンに合わせるだけで、フォーマルな場にふさわしいちょうどいい「きちんと感」を添えられます。

大切な人の大切な日。鏡の前でこのジャケットを脱いだり着たりして、早くも妄想中(笑)。いろいろカラーバリエーションはありますが、私は桜色×ブラックで「おめでとう」の気持ちを届けに行こうかな。上/カラーバリエーションとして、こんなライトグレーも。キリッとしながら、ここまで穏やかなグレー、他にはそうありません。そしてこのジャケット、前身頃にボタンなし。そのかわり、同素材の別カラーで2枚衿仕立てになっている。このデザインのおかげで、カーディガンのように気軽に羽織ることができるんです。

ジャケット/¥39,000(税別)

【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。