the essence

2023/03/10

vol.1【レース】
生活の一部になっていくヒト、モノ、コト
|エディター小林文「BEIGE,の奥深きシンプル」

23SSも始まりました! 6年ほど前からBEIGE, 好きが高じて書き始め、今も現在進行系でその沼にどっぷり浸かりながら書いている、エディターの小林 文です。コラムの特徴としては、日々のつぶやき長め。冒頭7割くらいを占めています。一応つながりはありますし(笑)、毎回しっかり魅力を伝えていますので、どうぞ最後までお付き合いいただければ幸いです!

前回22AWの最終回で触れていますが、12月に第一子を出産。想定外のことが多く、喜怒哀楽の “怒” 以外、すべての感情がごちゃまぜになったフルコースのお産でした。その数日後、病室で我が子をぼーっと抱きながら記事の公開を確認しました。その記事でも書いたのですが、いいのか悪いのか、妊娠しても母になってもあまり「変わっていない」私です。

女性は “女” “妻” “母” などとカテゴライズされたりターゲット層としてわけられたり。私自身、雑誌やファッションに関わる仕事をしているので、「働く女性のための〇〇」とか「小さな子どもがいても邪魔にならない〇〇」などと表現したことは多々あります。

でも実際にいま育児をしながら思うのは、「どれも生活の一部だな」ということです。

同時期に “母” になった友人と夜中の授乳中にLINEで励ましあうことも、仕事でお世話になっている “妻” の方からおいしいおつまみを教えてもらうことも、 “女” の後輩と大好きなお笑いの話をすることも…全部「生活の一部」。そう粒立てて線引きしなくていいんだな、としみじみ思ったりしています。

それに伴うファッションも。

外出ができなかった産後1か月は毎日パジャマで過ごしましたが、それ以降は産前と変わらずBEIGE, のニットやコートを着ています。毎日好きな服、着慣れた服に袖を通す。行き先は徒歩5分のスーパーでも、顔はすっぴんでも、私にとっての「生活の一部」が復活して、とても気持ちがいい日々です。

BEIGE, のこの春の新作にレースがあります。ベーシックでシンプルでマニッシュなものが多いBEIGE, 。あまりレースのイメージがあるブランドではありませんが、 “ちゃんとBEIGE, ” に着地しています。


小花系ではなく大きな花に葉や実の入ったデザイン。小花系レースが湿度のある “可憐” “ガーリー” だとすると、こちらは夏の日差しも似合いそうな “カラッとした” レース。オリジナルでデザインしたレースだそう。普段レースに馴染みのない人、艶っぽくなるのが照れくさい人にもおすすめです。


やや厚手のマットな素材で、花や葉、実、それぞれのモチーフのフチを太くしたり、裾はレースに沿ってカットしたりで“カラッとした”レース。ボトムも “カラッとした” 素材と相性がいい。


例えば、ピーチピンクのレースにハリのあるリネンの白スカート。春の優しい木漏れ日にも、力強い夏の日光にもぴったり。カジュアルなアイテムとして馴染み深いライトブルーのデニムなんかもいい。気張らず「生活の一部」になってくれるレースです。


コラムを書き続けることも、子どもとの毎日も、好きな服を選んで着ることも…全部「生活の一部」。23SSも長いつぶやきコラムにどうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!


ブラウス/各¥39,600(税込)(3月下旬ごろ発売)
ニット/¥46,200(税込)(3月下旬ごろ発売)
スカート/¥48,400(税込)(3月下旬ごろ発売)


【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして主婦の友社『GISELe』、講談社『mi-mollet』などで編集・執筆中。Instagram@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。noteではエッセイも。