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エディター小林 文「BEIGE,の奥深きシンプル」

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【ウールセットアップ】 【ウールセットアップ】

2018.10.10 Vol.10

【ウールセットアップ】
男前でも女っぽくでもなく、フラットに。

身の回りにあるものは「フラット」なものが落ち着きます。例えば今年の猛暑の中買い足した、扇風機。全体的に真っ白で、タイマーや風量のボタンは凹凸の少ないものを選びました。あと、iPhone Xにしてからリピートしているスマホカバー。ラバー素材の濃紺一色で、特にディテールのないものを愛用しています。家の中のもの、持ちものすべてがそうというわけではないのですが、主張しなくていいものは極力「フラット」にしておきたい。いざこってりしたものが欲しくなったとき、バランスがとれるようにしておきたいのです。
 
この【CORBY】シリーズのセットアップを目の前にしたとき、落ち着くな〜と思ったのは、「フラット」な佇まいを感じたから。ハリのあるしっかりとした圧縮ウール素材で、ひとつだけ付いているボタン以外は単色。ジャケットはV開きのノーカラーで、テーラードジャケットよりも前身頃にボリュームがなく、サラッと着られる。パンツは今どきなハイウエストに緩やかなワイドシルエット。そして、ジャケットもパンツも、切りっぱなしデザイン。色もデザインも凹凸が少ない。こんな「フラット」なセットアップ、初めてです!
 
今まで、セットアップというと、メンズの仕立てを引用した男前すぎるデザインのもの、反対にリボンなど妙に女性らしさを加えたものが巷にはあふれていて…、どちらに転んでも「仮装」っぽく見えてしまうことに違和感がありました。かと言って、カジュアル見えするものは、セットアップなのになんだか頼りないし…。
 
スーツな男性が多い会社での営業職、圧倒的に女性が多いファッション誌の世界、両方の職場を経験した今だからこそ思うことがあります。それはもう女としての立ち位置を考えすぎなくていい、ということ。まだまだ女性にとって働きやすいとは言いがたい環境は多いけれど、もっと自分が得た経験を糧に、自分という素材を信じてもいいんじゃないかと。
 
セットアップは環境に合わせて男前にまたはフェミニンにするのではなく、「フラット」でいい。なんだかいろいろ疲れたな〜と思ったら、このセットアップを思い出してみてほしい。大人の「今」にとてもしっくりくるから。
 
 
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上/首にピタッと沿い、後ろから見るとやや高さのある設計。これがノーカラーでもきちんと見える所以のひとつ。
下/すその裏側には同色のリボンテープを配しています。表向きには切りっぱなしのデザインですが、裏ではしっかり支えられているので安心感あり! です。
 
 
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上/個人的にゴム仕様のウエストはそんなに好みではないのですが、こちらは別! 着るのも脱ぐのも、着続けるのもラクなのに、腰まわりにもたつきがなく、見た目はスマート。素晴らしいです!
 
 
 
 
【profile】
 
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小林 文(こばやし あや):1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとしてOggiなどで活躍中。Instagram@kobayashi_bunでは、日々リアルなコーディネートを更新中。